イオウ病
発生症状
- 新葉の3小葉のうち1~2葉が奇形(小型)し黄化する。
- 奇形葉の発生は株の一方に偏ることが多い。
- 葉は光沢を失って紅紫色を帯びて萎ちょうし、株全体が枯死する症状とわい化する症状がある。
- 育苗中に激発すると株全体が枯死する。
- クラウンを輪切りにすると、導管部が褐変している。
- り病株のしおれた葉柄も斜めに芽に切ると同様である。
病気の特徴
- 発育適温は28℃だが25~30℃で多発する。地温15℃以下では発病しないか、発病しても被害は軽い。
- 土壌伝染、苗の持込により蔓延する。
- 厚膜胞子により土壌伝染。発芽し根から進入し導管部を犯す。
防除のポイント
- 罹病すると有効な薬剤はないので無病苗から採苗する。
- クロルピクリンで土壌消毒、又は太陽熱消毒を行なう。
- 育苗用資材の消毒(ケミクロンG500倍)。
- 育苗時期は寒冷紗被覆、レデイソル散布を用い高温対策を行なう。
- さし芽育苗で採苗する、この時のランナー苗は本葉2.5葉期までに行なう。
- 親苗は前年の秋までに、本葉2.5枚のランナーでさし芽育苗したものを清潔な場所に植えておく。ベンレート1000倍で定期防除、定期的な潅注がよい。高設育苗床はこまめにケミクロンG等で消毒を行い常に清潔にしておく。
薬剤リスト
薬剤名 | 系統 | 倍率 | 時期 | 回数 | 注意事項 |
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クロルピクリン | 40リットル/10a | 作付前 | クロルピクリン クロルピクリンテープ。4.5cm×15cm クロルピクリン錠剤 | ||
トラペックサイド | 40リットル/10a | 作付前 | 定植21日前 | ||
トップジンM | チオ | 300~500 | 仮植時 | 3 | 仮植時及び仮植栽培期間 1000倍液5分間浸漬 |
ベンレート | べノ | 500 | 仮植時 | 3 | 仮植時及び仮植栽培期間 500倍液10~30分間根部浸漬 |
ガスタード バスアミド | ダゾ | 20~30㎏/10a | 仮植又は定植の21日前/2回 苗床、本圃各一回 |
太陽熱消毒
イチゴイオウ病菌は自然病土40℃で8~14日間、45℃で6日間、50℃で2日間、55~60℃で12時間の積算時間を確保することで死滅するといわれている。
そこで高設栽培の培地も太陽熱利用の消毒を行なう。
* クラウン、根をあらかじめ腐らせておく。培地の上部に透明マルチを張り栽培槽全体を包み込む(排水芯も包み込む)培地は良く湿らせておく。ハウス内温度を40~45℃位に制御すると培地は50℃くらい確保できる。温床線を深夜に利用すると良い。
第2複葉期挿し芽育苗
親株より発生したランナー先端部が第2複葉期に達した時点で親株から切り離し、挿し芽することで、子苗のイオウ病の発病は防止できる。(香川農試、1996年、女峰)
- 病害名
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- うどんこ病 |
- 炭そ病 |
- イオウ病 |
- 灰色カビ病 |
- その他の病気 |
- イチゴの生理障害の種類と対策 |
- イチゴ病害適用農薬表
- 害虫名
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- ハダニ・ホコリダニ |
- スリップス |
- アブラムシ |
- ハスモンヨトウ |
- イチゴメセンチュウ |
- クルミネグサレセンチュウ |
- その他の害虫 |
- イチゴ害虫適用農薬表