炭疽病
発生症状
- 葉・ランナー・葉柄などの局所病斑と全身萎ちょうがある。
- ランナー・葉柄に発生しやすく3~7㎜の黒褐色、紡錘形の浅く陥没した病斑ができる。
- 葉にはくさび形の病斑ができる。
- 萎ちょう症は若い葉1~2枚がしおれ、やがて枯死する。
- 本田では頂果房の肥大期に萎ちょう枯死する症状が見られる。
- クラウン部を切断すると茶褐色の病斑が外から内部に向かって進行している。
- イオウ病・疫病と区別がつきにくい。
病気の特徴
- 高温(28~30℃)多湿で発生しやすい。夏季の高温時に形成される分生胞子が雨滴とともに飛散して周辺株に感染する。胞子の飛散は一雨で数mにも及ぶ。
- 感染親株、罹病残さを含む土壌が第一感染源である。育苗親株が感染していたり、被害株の残さの放置で多発する。
- 葉かぎ、芽かぎによる傷口、ランナーの切り口からも感染する。
防除のポイント
- 発病株は速やかに除去し、焼却、ビニール袋に入れ周辺への飛散を防止する。
- 親株は健全株を利用する(専用親株を作る)。土壌消毒は必須事項である。
- 育苗時期は常に定期防除に努める。ランナー発生時期には特に必要
- なむなく収穫株から採苗する場合は、早めに収穫を打ち切り株整理を行い、体力のある株に仕立て直し、防除も合わせて行った健全株から採苗する。
薬剤リスト
薬剤名 | 系統 | 倍率 | 時期 | 回数 | 注意事項 |
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キノンド-FL | 銅 | 500~800 | 育 | 3 | クラウン部スッポト散布・前面散布 |
アントラコール | 硫黄 | 1000 | 2 | 仮植後 | |
アミスター20FL | スト | 2000 | 前 | * | ダニ剤・展着剤混用不可。高温時薬害 *育苗床4回・本圃3回以内・うどんこ病併用 |
バイコラール水 | E | 2500 | 育 | 3 | |
デランFL | 他 | 1000 | 育 | 2 | 生育抑制 |
ゲッター水和 | 1000 | 前 | 3 | ||
ベルクート水和 | 他 | 1000 | 育 | 5 | 高温時薬害(28℃以上・5~9月) |
ジマンダイセン | M | 600 | 76 | 6 | 親株~仮植床に使用・じゃのめ・葉枯・輪紋病 |
バイオトラスト水和 | 生物 | 1000~2000 | 0 | タラロマイセス菌がイチゴに住み着き病原菌を駆逐 殺菌剤との混用不可 | |
バスアミド微粒 | 30k/10a | 土壌消毒 | |||
クロルピクリン | 土壌消毒 | ||||
ペタンV | 25ml/10l | 展着剤・付着量を多くし固着性向上 |
- 病害名
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- うどんこ病 |
- 炭そ病 |
- イオウ病 |
- 灰色カビ病 |
- その他の病気 |
- イチゴの生理障害の種類と対策 |
- イチゴ病害適用農薬表
- 害虫名
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- ハダニ・ホコリダニ |
- スリップス |
- アブラムシ |
- ハスモンヨトウ |
- イチゴメセンチュウ |
- クルミネグサレセンチュウ |
- その他の害虫 |
- イチゴ害虫適用農薬表